フリーペーパー「浜松百選」で巻頭特集していただきました!
Featured at the beginning of the free paper Hamamatsu 100 selections!
2023.06.06
1957年創刊の由緒ある遠州地方密着フリーペーパー「浜松百選」の2023年6月号の巻頭特集ページ100sen interview #162で、いきものだもの を特集していただきました!
インタビューを受けて
特別展のイベントフライヤーを担当させていただいている浜名湖ウォットさんにて、今までの僕、今後の僕についてインタビューをしていただきました。
今までの自分を振り返る良い機会となり、また、自分の考え方がこの10年くらいでとても変わったということを確認できました◎
絵が描けなくなる体験について
文中に「まったく描けなくなってしまい(博士論文を)挫折。」とある箇所、今見ると甘えたこと言ってるんじゃないよ!と思うのですが、当時の僕は、イラストレーターとして大切なピースを明らかに欠いていました。
イラストレーターは、自分の表現したいもの、追求したいものを研究・探求することはもちろんなのですが、同時に、自分以外の他者の想いや考えに寄り添うことが仕事です。
この、ほとんど全ての職業で求められる当たり前のスタンスを欠いたまま、大学院博士課程に進んでしまったために、自分のやるべきこと、やりたいことを見失い、結果として勝手に描くことをやめ、様々な方を失望させ、ご迷惑をかける結果となってしまったのだと自覚しています。
「好きに自由に描くことこそが絵描きの本分」この言葉の解釈を勘違いして生きてきてしまったために、僕は「自分の絵は、社会とどのように関わるべきか」という問いに無頓着でした。
このぐらいの時期に、描けないなりに何か手は動かしたいと始まったのが、今につながる いきものだもの です。
絵や表現の社会的な意味
その後引っ越した高知県で、絵や表現の社会における意味について実感できる出来事があり、現在は「自分のやりたいこ」と「社会とのかかわり」について目標をもって、絵を描くことができています。
大学院で研究していた表現についても、今後考えていけそうです。
絵や表現が有ると無いとでは社会は大違いです。
表現が良いものは、確実に大勢の人の心に作用して目に見える効果を生みます。
そして良いイラストレーション表現は、複製も容易で、演説や歌と違い一度描いて発表したら消えませんので、時間を超えて残り、後世ではその時代の空気感を映す遺産となります。
先史時代の洞窟壁画、古代ギリシア・ローマの彫像、江戸の気風を伝える浮世絵版画などなど、僕らは今も数多の表現の遺産の上に暮らしています。
これら遺産は当時の職人と、職人に仕事を依頼した者によってつくられたものです。
今では、この営みの礎になろうと考えて、イラストレーションを描いています。
インタビューを終えて
自分自身を振り返ることは怖いことです。それがこちらのインタビューを受けることでスムーズに行えたことがとてもありがたかったです!
これからも、人間を含むいきものの世界をやさしく伝え、アートやクリエーションについて伝える活動のお手伝い、また、自分でもそのような活動を行っていけたらと考えています。
皆さま、何卒よろしくお願いいたします。